トラウマは病気ではない
トラウマは行き場を失ったエネルギーだということです。そう考えると、ではどうしたらよいかは想像つきますね。トラウマそのものは、滑らかで順応性に富むものであり、自然のプロセスであることがわかれば、その行方を見守る環境を自ら作れば良いという事になります。トラウマを病(disease)とみなすとき、自然で創造的なプロセスを押さえ込むために、私たちはクリニックへ行き自らの回復反応を待たずに、薬で押さえ込んできた事になります。薬で押さえ込んだり、恐怖の中に閉じ込められたり(恐怖という感情も使い方を誤ると薬と同じ作用を引き起こします。感情と生理反応とはまったく異なるということですね)、または純粋に意思の力でコントロールしてしまっても、生来の自己調整能力は本来の力を発揮しないことになります。とてもシンプルにトラウマは治癒可能だということです。可能なだけではなく、長時間のセラピーや、痛ましい記憶の再体験や、薬への継続的依存なしに癒せるということです。過去を変えることは必要でないし、変えることもできないのです。ただ単に、縛り付けられたエネルギーと、失ってしまった成長の機会を意味するだけということになります。いかに今を生きるかという術を学ぶ機会が与えられた事になりますね。「嫌な事は忘れて、前向きに生きて行く」といっても私たちは決して過去を水に流す事も、忘れる事もできない事も知っています。「嫌な事といってそこに停めようとしている感情」をただ単に「生理的反応であるエネルギー」としてトラウマを変換する術を身につければ良いという事になります。
心と身体をつなぐトラウマ・セラピー(2008/02)ピーター リヴァイン商品詳細を見る
この本のなかのマーティン・ルーサー・キング・Jr.牧師の言葉の引用です。「実は、すべての命は互いに関係している。すべての人間は逃れることのできない相互関係のネットワークの中にあるのだ。ある人に直接的な影響を与えるものは、すべての人に間接的な影響を与える。あなたがあなたらしく存在しなければ、私は決して私らしく存在できないし、私が私らしく存在できなければ、あなたは決してあなたらしく存在できない。これが現実の相関構造なのだ」これは大自然の営みから切り離されて生きてきた、ヒト科の動物である私たちに与えられたメッセージともよみとれます。大自然のなかにいた頃の感覚を呼び覚ますためのセラピーが取り上げられていくということは、本能的に本来あるべき私たちが私たちであろうとする本能からきているのかもしれなません。個と全体はつながっていることをむかしのシャーマン文化は示しています。癒し手の役割は、バランスと健康を害した個人や地域社会にそれらを取り戻す手助けをすることでした。トラウマの深刻な悪影響をなかなか認識できなかった西洋医学とは対照的に、シャーマン文化はこうした傷を長い間認めてきました。病気とトラウマを、その症状を示す個人だけでなく、地域全体の問題と見なしてきました。自分自身のためだけでなく、全体の利益のためにも癒しを求めるというアプローチは、今日の私たちの社会において、トラウマを変容させる上で多いに活用できるものでしょう。皮膚感覚の喪失シャーマン的手法では、身体に戻ってくるよう霊に呼びかけるのは呪術医でした。ソマティック・エクスペリエンスでは、失われた、あるいはばらばらになった自分の本質を再統合することによってあなたたの癒しを導くのはあなた自身です。身体と魂の分離は、トラウマの最も重要な影響のひとつです。皮膚感覚の喪失は、人がトラウマ後に体験する麻痺と分離のよくある身体表現です。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・エクササイズ(身体感覚と皮膚感覚を回復する)毎日10分のマッサージシャワー。シャワーが刺激する身体の部分に完全に注意を向ける。「これは私の・・・」だと、身体の部分一つ一つに話しかけながら行いましょう。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・キネクラブジャパンでは、システムオブナチュラルヘルスとして、私たちのもっている身体感覚や身体機能について学ぶためのセミナーやセッションを行っています。ママキッチンでは、身体の総合的な健康の増進をサポートしています。美容室では、健康な髪や肌、身体感覚を呼び覚ますためのアロマのトリートメントなどをおこなっていますし、自然食品店ではオーガニックのシンプルな食材で身体をクレンジング、エネルギー強化するごくごく簡単なクッキングなどをお伝えしています。
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