ソマティック・エクスペリエンス

ソマティックということばをより深く理解するために前回の本を読んでみようと思います。「トラウマセラピーを読む」
(以下は本の抜粋) プロローグ:身体の叡智を認めるあなたに起きていることには合理的な理由がある。あなたは回復不可能なまでにダメージを受けているのではなく、そうした症状を軽減したり、場合によっては完全に取り去ったりすることさえできるのです。例えば交通事故に巻き込まれた人は、感情的な反応も起きず、事故が本当に起きたかどうかのはっきりした記憶や近くさえあいまいになることがあります。このような並外れたメカニズム(解離や否認)のお陰で、私たちはそうした致命的な瞬間を通り抜ける事ができます。こうした特別の意識状態は、後で「徐々になくなって」いけるよう、安全な場所がくるのを待っています。同様に、身体もトラウマに対して大きく反応します。身構えて緊張し、不安で固くなり、恐怖と無力感で凍りつき、倒れます。トラウマに対する防衛反応が事件の後正常に戻ったとき、身体反応も元に戻ろうとするはずです。この回復プロセスが妨げられると、トラウマの影響は固定し、その人は精神的外傷を負うことになります。
 心理学は伝統的に、心が受ける影響を通じてトラウマに取り組みます。これはどんなに頑張ってもコインの片面にすぎず、まったく不十分です。心と身体をひとつのまとまりとして共に取り組むことなしでは、トラウマを深く理解し、治療することはできません。
  メソッドの発見・・・・・・・・トラウマの癒しには、生き、感じ、理解する有機体としての人間の直接体験が必要です。・・・・・・・・人々は、いかに症状が作られるかを理解し、自分の本能的活動を意識的に体験する方法を学んで深く安堵したのです。身体的経験メソッド(ソマティック・エクスペリエンス=Somatic Experiencing®,SE)は、新しい手法であり、現時点では厳密な科学研究の対象にはなっていません。 
  癒し手としての身体私が我々の「有機体(Organism)」という言葉を使うとき、それはウェブスター辞典が定義する「相互依存し従属する、互いの関係と属性がその全体としての機能に大きく左右される要素の複雑な構造」を意味します。有機体は全体を著しますが、その全体は骨、化学物質、筋肉、臓器といった個々の部分の足し算から生じるのではありません。それは各部分のダイナミックで複雑な相互作用から生まれるのです。有機体を研究する際は、身体と心、原始の本能、感情、知性、そして精神性(スピリチュアリティ)のすべてを考慮に入れる必要があります。有機体としての我々を体験する手段が、「フェルトセンス」(感じられた身体感覚)です。フェルトセンスは、それを通じて自分についての感覚と知識の全体を体験できる媒体です。人間のトラウマ症状を癒す鍵は、私たちの生理機能にあります。避けられなかったり、圧倒されたりするように思える脅威に直面したとき、人間と動物は共に硬直反応を利用します。この機能を理解する上で大切なのは、それが不随意反応だという事です。つまり、硬直反応をつかさどる生理的メカニズムは、脳と神経系の原始的・本能的な部位におかれており、我々の意識の支配下にないということです。・・・・・・(続きを読む)

☆ Body knows the future ☆

からだの声に耳をすませばいいの?声って何?この「瞬間」からだのそこかしこが、どんな風につながって、そしてすべての組織や育みを、足は大地に伝えているんだろう。手には何を携えているんだろう。網膜に映る現実を、心にどう伝えているんだろう。内なる「目」で、どこに心地よさがあるんだろうって感じて。ほらほら!「生きる」こと、楽しみに待っている「細胞たち」がある。そうなんだね。からだは未来を知っている。