メリルストリープの母親役が光る映画「母の眠り」:女性の生き方を伝える母

映画「母の眠り」あらすじ:大学教授の父と専業主婦の母の間に育ちNYでジャーナリストとして働く主人公エレンは、学問に打ち込みながら家庭でもよい親であった父親を尊敬する一方で、家庭的な事にばかり熱心でエレンが理想と思う社会的な活躍などに意欲がなく、父の意見に諾々と従う母親をあまり好きではなく、そんな母親の人生を理解できないと思っている。そんなある時、母親が癌になり帰郷。父親から半ば押しつけられる形で母を家で看病することになる。ジャーナリストとしての仕事に専念したいエレンは、母の看病を内心やりたくないと思うが、母と触れ合う時間が多くなり病気と懸命に闘う母の姿を見ているうちに、母という人を再認識し始める。理想的に見えていた両親の知らなかった確執や、母親の強さ、弱さなどを知り、エレンは家族や女としての人生観を見つめ直してゆく。
母の眠り [DVD]
(2006/04/19)
メリル・ストリープ、レニー・ゼルウィガー 他

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専業主婦として生きた病身の母親と、彼女を看病するために帰省したキャリア・ウーマンの娘の姿を描いたヒューマン・ドラマ。ジャーナリストのアナ・クィドレンの同名小説(邦訳・新潮社刊)の映画化で、監督には「青いドレスの女」のカール・フランクリンがあたった。脚本はドキュメンタリー畑出身のカレン・クローナー。撮影は「生きるために」のクリフ・エイデルマン。編集は「青いドレスの女」のキャロル・クラベッツ。衣裳は「ハッピィブルー」のドナ・ザコウスカ。出演は「マイ・ルーム」のメリル・ストリープ、「ライアー」のレニー・ゼルウィガー、「ロスト・イン・スペース」のウィリアム・ハート、「すべてをあなたに」のトム・エヴェレット・スコットほか。劇中で、母ケイトが作り始めていたモザイクのテーブルは、キッチンで壊れたお気に入りの食器のかけらで作られていた。どのお皿も思い出深いもの。体力、視力も衰えていったケイトは、オーブンから出した娘の作ったパイの出来を見ようとして、つい過って床に落としてしまう。そして、新しい皿を出したエレンに、ハンディキャップ扱いされ、「まだ,ここはわたしの家よ!指図しないで!わたしはまだ母親よ!」と怒りを娘にぶつける。母の怒りや悲しみ、それを受け止めてあげられなかったエレンの思いも、そのモザイクのテーブルは、家族の歴史のかけらを集めて、エレンの手によって、美しいテーブルへと完成されていく。家庭の専業主婦は報われない仕事と思って、母親の存在、女としての生き方に、人生の意義が見いだせないと思っていた自分の傲慢さに、エレンは、母を通して気づいていく。母親の最後に立ち会うまで過ごした時は、彼女に、「人生の真実」「愛すること」を、心深く刻み込む。言葉ではない言葉で綴られた夫婦の幸せそうな日々は、譲歩の連続で、それでも夫は自分の人生だと言い切る母ケイトは、娘のエレンに自分の胸の内をすべて告げる。関係性に対する、娘の態度を案じて、力を振り絞って幸せになってほしいと訴えるシーンは、目頭が熱くなる。
この映画は、女性の生き方に、主婦専業か、キャリアかといっているのではありません。どの環境にいても、まず、自分は独立した一個の人間であることを、学びます。そこに喜びを得て初めて、他者との関係がスタートし、城を築いていくんですね。それが、家庭だったり、会社だったり、社会活動だったりする。この映画をみていて、「自分の場所に立つ」「stay at your place」という、ミケランジェロ先生がよく言う言葉を思い出しました。「いまここにあるものをしっかりつかんでちょうだい」と、この映画のなかでも、ケイト役のメリルストリープは、言っていました。いまここにいないと、心は「過去」に行って、悔やんだり、または「未来」に行って、心配したりして、マインドのとりこになり、生きる希望をはぎ取ろうとします。「幸せになる秘訣は簡単なのよ!」娘にすべてを伝えた母親の強さは、最後のシーンで明らかになります。リフレクソロジールームママキッチン

☆ Body knows the future ☆

からだの声に耳をすませばいいの?声って何?この「瞬間」からだのそこかしこが、どんな風につながって、そしてすべての組織や育みを、足は大地に伝えているんだろう。手には何を携えているんだろう。網膜に映る現実を、心にどう伝えているんだろう。内なる「目」で、どこに心地よさがあるんだろうって感じて。ほらほら!「生きる」こと、楽しみに待っている「細胞たち」がある。そうなんだね。からだは未来を知っている。