お父さんの「梅干し」が教えてくれた「それでも生きる」こと。
私に残されたのは「感謝」の2文字だけ。
お父さん
ありがとう。
最後の2年と2ヶ月。
私のできる限りの心を受け取ってくれてありがとう。
最後の2年は、徐々に「自分でできること」を、
奪われていった時間だったね。
絶対に口には出さなかったけれど、「死にたい」って思ってたんだよね。
辛かったもんね。
お父さんが「自分の漬けた梅干し」を「食べたい!」って言ってくれた時。
嬉しかったよ。
そこから、ご飯を完食するようになってくれたから。
もしかしたら、あのままだったら、、、、
2年前にすでに「お別れ」が来ていたのかも。
あの時。「お父さんの梅干し」は、
「それでも生きる」を教えてくれたんだね。
これからも、「お父さんの梅干し」大切にするよ。
必要な方に配りながらね。
息を引き取ったお父さん。
誰もいないところ、時を選んだお父さん。
1時間後に駆けつけた時には、
すでに帰らぬ人。
肉体から離れたお父さんを呼んでみたけれど、
なんの返答もなかった。
送迎車が病院に迎えに来て、安置される場所に辿り着いた時も、
その間じゅう呼びかけたけれど、
そこには、もぬけの殻のお身体があるのみ。
会えたのは、四日後の日曜。
姿かたちは見えないけれど、「雰囲気」でわかったよ。
ほんの数分間。
そう。みんなにおにぎり作ってって言われたんだよね。
大好きだった白いお米を炊いて、
お父さんの梅干しを入れて、チイちゃなおにぎり作ったね。
みなさんに配って。って。
お父さん。粋なことするじゃないの。
ユーモアとセンスの良さ。
これを教えに来てくれたのかな?
亡くなったそうそう、あの世の修行があるって聞いているけれど、
お忙しい中、ありがとうね。
残された人のことが気がかりだったのかも。
私もこうやって、やっと書けるようになったよ。
まだまだ大丈夫とは言えないけれど、
前に向かって進んでいくからね。
安心してね。
今日は、父のこと書かせていただきました。
どんな亡くなり方をしても、
故人は「悲しんでなんかないよ」という本を読んだことがあります。
家族にも「安心してね」って言いに来てくれるんですって。
この世の「痛み」「苦しみ」からすぐに解放されると言うくだりを読んだ時に、
安堵感を覚えました。
素敵な本だったなあ。
そうそう。これだった。
よかったらお手に取ってみてね。
井沢慶紅でした。
0コメント